顎関節症について
顎は筋肉・関節・神経が集中し、複雑に連動して機能しています。
顎やその周囲に痛みが出たり、動かしにくくなったりすることを顎関節症といいます。
症状
- あごが痛む
- あごを動かすと音がする
- 口が開かない
- 頭痛、肩こり
- 歯や舌などの違和感
原因
構造上の問題 | :噛み合わせの不良 |
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:顎関節がもともと弱い | |
ストレスや不安による筋肉の緊張 | |
習慣や癖 | :頬づえ |
:歯ぎしり、食いしばり | |
:片側の歯での偏った噛み方の癖 | |
:うつぶせ寝の習慣、猫背 | |
:スマートフォンや携帯電話、パソコンの長時間に及ぶ操作 | |
その他全身疾患 | :PCR(進行性顎関節吸収)、関節リウマチなど |
顎関節の構造
顎関節は上顎と下顎の骨と、関節円板(クッションの役割)で構成されています
顎関節症の分類
顎関節症は4つに分類され、症状が単独で生じる場合と複合して生じることがあります
Ⅰ型 :咀嚼筋痛障害 | あごを動かす筋肉の痛み |
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Ⅱ型 :顎関節痛障害 | 顎関節(靭帯や関節包)の痛み |
Ⅲ型 :顎関節円板障害 | 顎関節の中の関節円板(クッション)のずれが生じるもの |
①復位性 (Ⅲa型) | |
②非復位性(Ⅲb型) | |
Ⅳ型 :変形性顎関節症 | 顎関節を構成する骨に変化が生じるもの |
音が鳴る・口が開かない原因
正常な場合:口を開けると下顎頭は前下方に動きますが、下顎頭と関節円板の動きはスムーズです
音が鳴る場合:口を開ける前から関節円板の位置が前の方にずれてしまい(関節円板前方転位)、下顎頭が関節円板を乗り越えたり戻る時に音が鳴ります。
口が開かない場合:前にずれた関節円板に下顎頭が引っかかってしまい、前に動けない状態です。
治療法
日常生活における行動や癖が症状と関係している場合が多くあるため、ご自身で気をつける事で症状が軽くなる場合があります
【初診時の対応】
・ 硬い食品や長時間の咀嚼は避ける → 顎関節や咀嚼筋への負担を減らす
・ 習慣や癖に気をつける → 頬杖をやめる、猫背などの姿勢をよくする
・ 仕事中や休息時に上下の歯が接触していることに気付いたら歯を離すようにする
→ 唇は閉じて、舌は前歯の裏側あたりに置く( 鼻呼吸をするという姿勢が理想)
・ 強い心理的な緊張を感じる環境があれば、それを改善し避ける
・ 痛み止めの内服や、筋肉をほぐす電気治療を行う
・ マッサージ指導
【改善しない場合】
- マウスピース作製 → 咬み合わせの負担や顎関節への負荷の軽減を目的に、1~2㎜の薄 いマウスピースを装着します。睡眠時にも装着することで、歯ぎしりやくいしばりによる筋の緊張も軽減します。
- 顎関節洗浄や外科的治療→ 状況や希望によって大学病院等に紹介いたします。